エスパルス32節 / 親バカと魂のゴール


観戦中はいろいろなことを考えて、またブログに何を書くかも考えていたのに、後半途中からもう細かいことはどうでも良かった。一点返されても負ける気はしなかったし。
いつもは冷静に試合を振り返っている(つもりだ)けど、今日はだめだった。



【 11月23日 / Jリーグ第32節:清水 2−1 広島 /‘魂のゴール’】



     

早急に対処いたしました!


     

レッサーパンダの「たいら君」はともかく無表情なシロクマ「ロッシー」にくらべると、うちのパル・小パルたちはなーんて表情豊かなことか!(←親ばか。)
日本平動物園とスタジアムの友好親善ムードを装いつつ、‘ゆるキャラ’ライバルに格段の芸歴(ダンス歴)のちがいを見せつけたパルちゃんズなのであった。



さて、試合の方は、小野が警告累積で出場停止、ヨンセンはベンチということで、永井・大前がスタメンに。

     

前半、永井さん奮闘。決定機が三回ほどあったが惜しくも決めきれず。しかし、ボールさばきの巧さとヘディングも頑張りながら左右に流れて、相手DFに的を絞らせなかった。一本決めさせてあげたかった!


今日、最多のシュートを放った(と思う)のは大前。守備的な相手を前にいい形のフィニッシュはできなかったが、エリア内でしぶとく粘り強くプレーしてチャンスに絡み続けた。
その大前がゴールライン際で踏ん張って残したボールを……

     

ありったけの想いをこめて、キャプテンの左足が唸りを上げた!

     


ドキューンと音がしたような、魂を揺さぶるゴールだった。キャプテンとしての苦悩や、近づくチームメイトやスタッフとの別れや何もかも、兵働の全身全霊がこもったショットだった。

(↑ こんなことを書いておきながら…)
兵働はこのゲームがリーグ通算150試合出場のメモリアルマッチということで、試合前に奥さんと子供さんに花束を渡されていた。
今日の彼はこれ以外にも何本かいいミドルを放ったが、彼らしいいつもの壮大なシュートは影をひそめていた。ならばこれからも通算151試合、152試合…と毎回試合前に記念の花束贈呈をすればいいのではないだろうか。(兵働ごめん!)


     

キャプテンに続けとばかりに藤本がゴールに迫る。本当に久しぶりに「イチ・レーザー来たっ!」と思わず腰を浮かせた市川のミドルは、ちょっと力みすぎて当たりそこねだった…


そして、やはり大前が頑張って奪ったコーナー。淳吾のCKを岩下が合わせた!

     

この場面、岩下が触る前に中央で市川がつぶれ役になって、GK西川にしては珍しい判断ミスを誘ったのだった。また、先のプレーで警告を受けていた広島・青山が岩下のマークについていたのも広島のミス。そこにボールを送った藤本の戦術眼の高さが生んだ点でもある。



それにしても、佐藤寿人李忠成を併用しながら広島の攻撃には圧力がなかった。ストヤノフがいないためか前線に効果的なボールが供給されることはなかった。守るときには5バック気味でラインを下げた完全アウェー仕様だったが、中盤ロープレッシャーでバイタルはスカスカ。エスパルスは焦れずによく我慢して簡単に放りこまなかったし、サイドのケアも怠らなかった。
攻撃面では良いところを見せられなかった岡崎だが(連戦の疲れもあっただろう)、市川の前で山岸をよく追って守備でハードワークしていた。逆サイドでは大前がミキッチにプレッシャーをかけ続けた。
今日のゲームを分けたのは、FWの守備意識だったかもしれない。


     

来季、名古屋に行くらしい槙野を迎え撃つ淳吾。


     

オレのヨンセンのシャツを引っ張るな、槙野!



早く終わってほしいような、まだ終わってほしくないような、勝つのはわかっているけど複雑な気持ちのままゲームセットを迎えた。

兵働が、なにかしみじみとインタビューに答えていた。

     

「良いときも悪いときもいろいろあったけど、こうやってサッカーができるのは嬉しいことだし、一試合でも多く重ねていきたい」 この言葉の裏にある、現実の痛みを思うと切なくてたまらなくなった。


そして………


     

     


みんな楽しそうで、笑っていて良かった。
天皇杯マリノス戦も含めたこの四連戦、本当によく戦った!

あー、年とると涙もろくなるのってホントだ。まだ終わりじゃないのに。
でも、小野もボスもエダも一樹もアオも浩太も廣井も海人もここにいない。
まだ、チャンスは五回ある。