2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

皆川博子/死の泉

日本人が書く外国を舞台にした小説がどうも苦手だったのだが、佐藤亜紀さんを続けて読んで苦手意識も薄らいだ。で、やはり疎遠だった皆川博子作品。 個人的には小説に限らずゲルマンの文化が好きではなかったのだが(サッカーやクルマ等でも)、ここ何年かク…

佐藤亜紀/ミノタウロス

若くして父親を継いで広大な農地の地主になった主人公が、革命〜内戦で土地を失い、略奪・強姦・殺人を厭わない「けだもの」になっていく… 【佐藤亜紀/ミノタウロス(277P)/講談社・2007年(090218-0220)】 ミハイロフカ(架空の地)に広大な作地を持って死ぬ…

佐藤亜紀/雲雀(ひばり)

【佐藤亜紀/雲雀(ひばり・234P)/文藝春秋(090215-0217)】唐突に終わって取り残された感のあった『天使』の姉妹篇で、今風の言い方をすれば『天使』から派生したスピン・オフ作品ということになる。2003年に別冊文藝春秋に発表された三編と書き下ろし一編を収…

佐藤亜紀/天使

佐藤亜紀シリーズ二冊目。 【佐藤亜紀/天使(294P)/文春文庫・2002年(090210-0214)】 二十世紀初頭のウィーン。「感覚」を持って生まれたジェルジュは大公に仕える顧問官に育てられる。異能者の諜報機関に属しサラエヴォに端を発する戦火の拡大の中で、能力を…

佐藤亜紀/バルタザールの遍歴

数年前から気にはなっていたものの、食わず嫌いを決め込んで敬遠していた佐藤亜紀さんの本。好きか嫌いか、まず一冊読んでから決めよう!となぜか挑戦者みたいな心持ちで本を開いた…… 実は今月が「女性作家月間」になりそうだというのも、佐藤亜紀作品を数冊…

上田早夕里/火星ダーク・バラード

『魚舟・獣舟』が良かった上田早夕里さんのデビュー作(小松左京賞受賞)。前に読んだけど加筆改稿されて文庫化されていたと知って、すかさず買ってきました!【上田早夕里/火星ダーク・バラード(519P)/ハルキ文庫(090204-0206)】狭いながらも本密度はなかな…

上田早夕里/魚舟・獣舟

今月は「女性作家月間」になりそう。読みたかった作品を何冊か入手済み。どれも読み応えありそう! で、二月の一冊目はコレ! 【上田早夕里/魚舟・獣舟〔うおぶね・けものぶね〕(323P)/光文社文庫(090130-0201)】 「異形コレクション」に収められた短編五作…