2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

J・ロンドン/白い牙

まったく、人間てやつは… 若合春侑さんの二冊を読んで、ささくれ立つオオカミの心。あとから考えれば考えるほど、主人公の女性の悲劇よりもSな男への不信感が強まってくる。どうせあいつらみんなB型なんだろうぜ(B型の人ごめんなさい)、あんなことして…

若合春侑/蜉蝣(かげろふ)

仕事中に『腦病院へまゐります』のことをふと思い出したときに、肝心なことを見落としていたのに気づいた。昭和初期という時代のことだ。当時の日本は、日本ではなかった。大日本帝國。女は子供を産む道具と見なされていた(今でもそう口にする輩がいるが)…

若合春侑/腦病院へまゐります

ちょっと前に古本屋で買っておいた本。早く読みたいような、読むのが怖いような感じで他の本を先回しにして、その間一ヶ月以上もかけて職場にあった日本文学選集の中の『谷崎潤一郎集』を昼休みなんかに読んでおいたのだった。 昔は会社に読書クラブがあった…

K・コルドン/ベルリン1933

『魚神』みたいな作品を読んでしまうと、次に何を読むか迷う。頭を冷やして幻想から離れられるもの。リアリティのあるもの。ナチス・ドイツつながりからも、この『ベルリン1933』はそんな気分にぴったりだった。 【クラウス・コルドン/ベルリン1933(545P)/…

千早茜/魚神(いおがみ)

ああ、まただ。『地獄番 鬼蜘蛛日誌』と同じだ。書店で妖しいオーラを放っていた。仰々しい文句の並ぶ帯と表紙ばかりが素敵なエンタメ・ミステリー作品群の中に、ぽっかりとブラックホール。吸い寄せられた。中身なんか見なくてもわかる、これはオレが好きな…

W・フロイント/オオカミと生きる

全オオカミ族必読の書!!廃刊になった月刊PLAYBOYの最終号を探して古本屋めぐりをした先月、偶然見つけてしまった。ここ二、三年アマゾンのカートに入れっぱなしで保留にしたままだった本だ。あぁこのカバー写真‥‥オレも吠えたいっ!こんなところで出会うなん…

皆川博子/総統の子ら

昨年秋〜今年始めにかけて時代/歴史小説を数冊読んで、いまさらながら、なぜだか異様に信長〜秀吉の時代に詳しくなってる自分がいた。職場で「信長とか細川ガラシャについて知りたいことあったら何でも聞いてください!」などと言って同僚を怪訝にさせたり(…