2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

小川洋子/猫を抱いて象と泳ぐ

『潜水服は蝶の夢を見る』みたいなタイトルだなぁ、と思いつつ本を開くと、チェス盤のイラストが。白と黒の駒が配置について、物語の始まりを待っている。 おばあちゃんとバスで行くデパート、屋上のこども遊園地、お子様ランチ。なつかしい光景が優しい語り…

莫言/転生夢現(上)(下)

ちょうど一年前、NHK-BS2『週間ブックレビュー』で取り上げられていたのをたまたま見ていてインプットされ、気になってはいたのにずるずる後回しになっていた作品。 『地獄番 鬼蜘蛛日誌』がきっかけというか、「閻魔様つながり」みたいな、「地獄めぐり、も…

山本兼一/利休にたずねよ

『鬼蜘蛛日誌』のあと、すごくつまらない本を買ってしまい(途中で読むのやめた)、「お口直し」じゃない、「お目直し」に日本語のちゃんとした本が読みたくて物色中、目に留まったのがこれ。 読んだことのない作家だったが、すごく、しみじみと良かった!で…

斎樹真琴/地獄番 鬼蜘蛛日誌 (その二)

ほぼ一日で読み終えて、気に入った箇所を読み返すこと数回、また始めから読んでます。付箋紙をつけながら読むのなんて久しぶりのことだ。繰り返し読むと、禅問答になりそうな人の迷い言を、さりげない簡潔な言葉で説得力を持たせる筆者の言葉選びの巧みさが…

斎樹真琴/地獄番 鬼蜘蛛日誌

昨年末、新聞の書評欄に小さい記事が載っていて、気になっていた本。それから何回か書店に足を運んでいたのにお目にかかれなかったのが、昨日、ひっそりと置かれているのを見つけて即買い。例によってオススメ本には店員の手書ポップが添えられているその書…

真保裕一/奪取 (上)(下)

のんびりと正月休みを過ごしていたものの、来客があったり年賀状づくりに時間がかかったりと意外にゆっくり本を読んでいる時間がなかった。で、今年の1冊め。【真保裕一/奪取 (上495P)(下469P)/ 講談社文庫(081231-090104)】 『覇王の番人』の作者がどんな…

神なるオオカミ、羊羹合戦など〜2008年の読書から

年も明けてしまったが忘れないうちに2008年に読んだものの中から記憶に残った本を記しておこう。 【姜戎(ジャンロン)/神なるオオカミ(上514P・下502P)/講談社】 文化大革命で内モンゴルの草原に下放された知識青年が羊飼いとして暮らすうちに、遊牧民の…