2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

平山夢明 / 或るろくでなしの死

【 平山夢明 / 或るろくでなしの死 / 角川書店 (274P) ・ 2011年12月(120824−0828)】 ・内容 その一線を、超えるべし。狂気の淵にたたずみ惑う人間たちの“その瞬間”。震えながら、戦きながら、そうとは知らずに……七人の人間たちが迎えた、決定的な“死の瞬…

高木仁三郎セレクション

【 高木仁三郎セレクション (中里英章、佐高信 編) / 岩波現代文庫 (377P) ・ 2012年 7月(120819−0823)】 ・内容 生涯をかけて原発問題に取り組み、最期は原子力時代の末期症状による大事故の危険と、放射性廃棄物がたれ流しになっていく恐れを危惧しつ…

赤坂真理 / 東京プリズン

八月十五日にこれを読み始めたのはまったくの偶然だったが、盆休みで助かった。久しぶりの一気読みになった。読んで良かった。それ以前に、よくぞこれを書いてくれたと著者に感謝したい気持ちになった。けして読みやすくはないし、重い、堅苦しい内容ではあ…

重松清 / 星になった男 阿久悠と、その時代

♪ 初めてのルージュの色は紅すぎてはいけない / 大人の匂いがするだけでいい初デート前の乙女のドキドキ感を歌った石野真子‘狼なんか怖くない’(昭和53・1978年)。憎らしいほど巧い、化粧品CM曲かと思われるほどにあざとい歌い出しである。しかも作曲は吉田…

横田増生 / 評伝 ナンシー関

友人に借りて何冊か読んだことがあるナンシー関。「聞く猿」「何の因果か」「小耳にはさもう」、それにリリー・フランキーと対談してるやつ。どれも面白かったし、さりげなく名言が散りばめられていて(たとえば、五輪選手の決まり文句に対して「『感動させ…

青山文平 / 白樫の樹の下で

【 青山文平 / 白樫の樹の下で / 文藝春秋 (256P) ・ 2011年 6月(120803−0806)】 ・内容 賄賂塗れの田沼時代から清廉な定信時代への過渡期。御家人3人の剣術仲間を巻き込む辻斬り「大なます」。傑作時代ミステリー。 第18回松本清張賞受賞作 『かけおちる…

米原万里 / 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

2006年に米原万里さんが亡くなったときに「世界わが心の旅」の再放送を見た。当時はこの番組が『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を下にしてつくられたものだと思いこんでいたのだが、実際には先にNHKのこの旅番組があって米原さんの積年の夢が実現、それから…