2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

鎌田 慧 / 大杉栄 自由への疾走

【 鎌田 慧 / 大杉榮 自由への疾走 (496P) / 岩波書店・1997年 (120326−0330) 】 ・内容 「思想に自由あれ。しかしまた行為にも自由あれ。そしてさらにはまた動機にも自由あれ。」アナキストとして自由奔放に生き、日本軍国主義に虐殺された男、大杉栄。思想…

瀬戸内晴美 / 諧調は偽りなり

四角関係のもつれから大杉栄が神近市子に刺される「日陰茶屋事件」で終わった『美は乱調にあり』の続篇。もともと『美は〜』は大杉と野枝の生涯(死まで)を書くつもりだったが、執筆当時、大杉を殺した甘粕大尉の人物像を絞りきれなかったために、一旦筆を…

瀬戸内晴美 / 美は乱調にあり

久しぶりに古本屋めぐり。特にお目当てはなくて、つまりヒマつぶしだったのだが、瀬戸内晴美さんの本を数点買ってきた。今年に入って始まった中日(東京)新聞夕刊に連載の瀬戸内寂聴「この道」。もう百回を越えているが、少し前から大正時代の平塚らいてふ…

ケイト・モートン / 忘れられた花園

今回の「秘密の&忘れられた花園」作戦は成功したのか? 【 ケイト・モートン / 忘れられた花園 (上349P、下348P) / 東京創元社・2011年 2月 (120313−0318) 】THE FORGOTTEN GARDEN by Kate Morton 2008 訳:青木純子 ・内容 1913年オーストラリアの港にたっ…

フレッド・ヴァルガス / 裏返しの男

【 フレッド・ヴァルガス / 裏返しの男 (364P) / 創元推理文庫・2012年 1月 (120309−0312) 】 L'HOMME A L'ENVERS by Fred Vargas 訳:田中千春 ・内容 アルプス山麓の村で狼の歯形の残る羊の死骸が相次いで発見された。そして喉に巨大な噛み痕のある女牧場…

バーネット / 秘密の花園

『忘れられた花園』の前に読んでおくことにした『秘密の花園』。 『小公子』も『小公女』も読んだことがない。いまさら『秘密の花園』なんて、という気持ちがどこかにあった。児童書というわりには厚いし。タイトルが‘花園つながり’というだけで読み始めたの…

T.スカルパ / スターバト・マーテル

これを読んだのはBS「週刊ブックレビュー」で美人フルート奏者・山形由美さんが紹介していたから、ではない。 【 ティツィアーノ・スカルパ / スターバト・マーテル (182P) / 河出書房新社・2011年 9月 (120229−0302) 】STABAT MATER by Tiziano SCARPA 2008…