エスパルス2012:YNC第3節 / 永遠にヤングエスパルス


新年度が始まったばかりというのに、早くも二回目の午後休を取ってアウスタへ。休暇取得申請書には「エスパルス休暇。負けたら明日休む」と書いて出した。
同僚がまだあくせく仕事している夕刻に、自分はオレンジのシャツ着てオレンジのメガホン叩いて“レーレレオー♪”とかやってる。至福である。



【 4月18日 / YNC第3節 :清水 1−0 横浜 / ‘ヤングエスパルスの形’ 】



またヤングエスパルスを見るのを楽しみにしていたので、相手のスタメンなんぞ全然気にしていなかった。だからメンバー紹介で唐突にその名前を耳にして、一瞬、不思議な気持ちに包まれたのだが、すぐに続いてこみ上げてくるものがあった。
そういえば去年まではアウスタでもまだ「3」や「26」のアオのシャツを見かけたけど、この頃はもう着ている人を見なくなった。
青山の写真、一枚ぐらい撮っておこう。そう思っていたのだけど、結果的にエスパルスの選手以上に彼がどのカットにも写っていた。そういう試合だった。


     


オレンジを纏っていた頃の、自信に満ちて溌剌として精悍な面影はなかった。それでも言っておきたい。今日、青山直晃がいなければ、Fマリノスは大量失点していただろう。
彼もまた‘ヤングエスパルス’だった。プロとしてのキャリアをスタートさせ、躍動し、未来を輝かせたピッチに今夜どんな思いで立ったのだろう。清水期待のバリバリのルーキーに胸を貸す余裕なんてなかったかもしれない。五輪代表でもあったほんの数年前に彼の絶頂期は終わってしまったなんて信じたくない。25歳、まだこれからだ。ガンバレ、青山!



後半三十分になってやっと決まったアレックのゴールで清水が勝った。それまでにいくつ決定機があっただろう。


     

     

     


伊藤翔とルーキー石毛、白崎が前線に入ったために連係が今ひとつだった、とは思わない。それよりもチームとしてのカウンターのまずさ、不手際が目立った。
昨年、あれだけ相手カウンターを許して失点を重ねながら、逆にこちらがやり返したという記憶はない。一年通せば、FWにはたいてい一度や二度の「ごっつぁんゴール」のチャンスが訪れるものだが(イ・グノや播戸のように)、昨年の高原と大前の得点は全部、相手DFとぎりぎりの競り合いをしながら一つずつ奪ったゴールだった。必然的にマルチ得点はなかったし、スコアは伸びなかった。
今日は初ゴールを狙ってゴール前に走りこむ若手が数的優位を何度もつくったにもかかわらず、やはりチャンスを決めきれなかったのは、選手個々ではなくチームの問題なのではないか。(今季セットプレーからの失点が多いのも)


     


ただ「なんとなく」優勢に試合を進めているだけで、戦術的な裏づけはあまり見えてこない。先日のダービーの3ゴールにしてもそうだ。勝っているからかんちがいしそうだが、強豪はもっと効率的に確率の高いやり方で得点するものだ。
でも、…… 昔からそうだよな? 簡単なシュートは外し、難しいシュートが入る。「これ」という形を持たない、つかみどころのなさがエスパルスらしいといえば確かにそのようでもあって、GKと一対一になった長谷川健太が思いっきり外す場面を笑いとともに思い出してしまうのだから困ったものである。


     


石毛と白崎の動きは悪くなかった。何度もスペースに抜け出していたのに、ボールが出てこなかった。前線にタレントをそろえすぎたか、束ねて動かす役がいなかった。小野も大悟も枝村も浩太もいなかった、ということだろう。あと、石毛を使うときは犬飼も一緒に使った方がいい。現在のチームで彼のことを最も知っているのは犬飼だからだ。
今日も河合はよくやった。姜成浩も素晴らしかった。このメンツでも特に穴はみつからないのである。どことやってもそこそこ戦えそうな気もする。だからこそ、チームとしてのベーシックな形、「これぞエスパルス!」という形の確立が望まれるのだが、勝ち続けていれば自然に定着してくるものなのだろうか? もしかして、エスパルスは永遠にヤングエスパルスのままだったりして……(だから好きだったりするのだが)。