エスパルス2014:27節 / One Heart


【 10月5日 / Jリーグ第27節 : 清水 3-0 C大阪 / ‘One Heart’ 】


バックライン裏が不安定というスカウティング通り、立ち上がりからスペースにボールを出してセレッソDFを後ろ向きに走らせた。ミーティングと練習で頭に入れていたことが通用するのがわかって「行ける」という手応えを選手たちは早々に掴んだのだろう。
前半八分、中央で本田拓也がつくって入れたくさびを石毛が上手く受けてターン、待望の今季初ゴール。バックラインを下げさせる。ペナルティ前が空く。狭いスペースに入ってボールを受ける。今季の自分たちが何度もやられていた形をやり返して奪ったゴールだった。


          


セレッソ守備陣はスタンドからも見るからに脆く、(自分たちはさておき)低迷の理由がわかるような気がした。セットプレーも多かっただけに、もっと早く追加点が欲しかった。3ゴールを奪ったものの、外したシュートの多さの方が目立ち、相手のミスにも助けられた試合だった。前節、今節と、やっとMFの得点が生まれるようになったのは良い徴候。
サイド兼務のチーム事情に泣かされてきた石毛が決めて、「自分も」と思っただろう高木俊は今日も不発弾を量産。毎試合、写真にいちばん多く写っているのがこの‘悩める男’だが、ボツカットばかりなので困る。
前半は守備意識も高くて帰陣していたが、後半は前残りで後ろの守備負担を増やした。吉田が相手二人に対応しなければならない場面を何度かつくられて冷や冷やさせた。石毛と六坂、拓也の関係は良かっただけに、悩める男がまだもう一人いることは大榎監督も頭が痛いだろう。


          
          


J2ジュビロは名波が監督就任。一年前のこの時期、磐田は抵抗らしい抵抗すら見せずにあっさり降格した。昨年磐田がたどった轍を清水はなぞるのか。直接対決はないにしろ、今季も見えない形でダービーは存在しているのである。磐田とはちがうというところを見せようではないか。大榎エスパルスと名波ジュビロの対戦はJ1以外ではありえない。格上としてその日を迎えるために、しぶとく戦い続けよう! One Mission, with just One Heart!


          


後半、見過ごせないプレーがあったので書いておく。一発レッドになった河井へのラフプレーである。
足の裏でのタックルは選手生命に関わる重大なケガにつながりかねない悪質で危険なプレーで退場は当然だが、それ以前に同業者としての自覚や、サッカー人としての連帯感と敬意を欠いた非紳士的行為である。近年次々と優秀な若い選手を育成、輩出してきたセレッソというクラブへの背信でもある。何という選手だか知らないし知りたくもないが、追放にも価するプレーだと自分は思う。
モラルの低い選手がいるチームには絶対に負けてはならない。サッカーのためにも。


          


心情的には「勝ちロコ」は封印したいのだが、久々の出番で好プレーを見せた純平と河井の笑顔が嬉しかった。足首を傷めたらしい拓也は大丈夫だろうか?