エスパルス2014:32節 / 茨の道


来シーズン、松本山雅がJ1昇格する。反町監督に鍛えられて、犬飼智也は今季ここまで41試合フル出場。特筆すべきは6得点を記録していることだ。石毛、柏瀬、負けてるぞ!


ナビスコは健太ガンバが優勝。広島に逆点勝ちした決勝の記者会見。
健 「(PKで0-2になったときは) 持ってねえなぁ、また岩下かよ〜と思いましたね(笑)」


この名古屋戦のあと、中三日で天皇杯準決勝がある。リーグ大詰めのこの時期にウィークデー開催で試合があることに異論は多いだろうが、それはリーグ制覇と三冠を目指すガンバも同じ。エクスキューズを口にした時点で負けである。だから全部勝てばいい。名古屋に勝ち、柏にも勝って、甲府にも勝って、天皇杯も勝とう!(ガンバに勝てば、決勝の相手は石崎監督の山形か、兵働がいる千葉である。バトル・オブ・シミズは終わっていないのだ)



【 11月22日 / Jリーグ第32節 : 清水 2-2 名古屋 / ‘失意のドロー’ 】


ノヴァコヴィッチスロベニア代表として16日のユーロ予選・ウェンブリーでのイングランド戦にフル出場した(ここまで四試合3得点、スロベニアのエースとしてグループ二位のチームを引っぱっている)。プレミアの猛者たちと闘ってきた彼のコンディションが気になったのだが、そんな心配は無用だった。「自分が絶対に残留させる」― スパイクをオレンジ色に変えてアイスタのピッチに立った彼はその言葉どおりの仕事をしてみせた。


          
          
          

だが、彼の周りの大前、高木俊、六平、竹内には自分が打開する、決めてやるという気概が欠けていた。自分の目には欧州サッカー誌風に評価するならこの四人はせいぜい4点、そろって不合格だった。この日、この重要なホームゲームを戦うのに不適格だとすら感じた。この組み合わせだと90分間常時50キロの低速、安全運転サッカーしかやらないのではないか。次節は総入れ替えでいい。
前半にはまだ裏を取ろうとする動きがあった。しかし、縦のボールを入れない。他人任せに足下から足下へ。そんなに今日の名古屋の守備はタイトだったか? プレッシャーはきつかったか? 相手が十人になっても、そんな身分ではないのに悠長に殿様サッカーを続けてドローに終わった。


こっちのGKは二流なのだから無駄にセットプレーを与えてはならないし、DF裏に蹴らせるのも御法度なのは厭というほどわかっているはず。またしてもつまらない失点を追いかける展開。結局、相手におつきあいするいつもの名古屋戦が再演されて、勝ち点2をみすみす逃した。
一勝の重み、一点の重みを十二分にかみしめるシーズンになっているのに、現時点でこんなゲームをやっているのは順位相応ということか。


          


2010年健太エスパルスのラストイヤー、清水はリーグ最終節のガンバ戦を0-3で落とすと、年末の天皇杯準決勝で3-0でガンバにリベンジして決勝進出した。三週間もの中断期間のせいで、自分の中では完全に手前勝手な楽観的妄想が出来上がっていた。もちろん26日のガンバ戦には3-0で勝って、健太に「やっぱり持ってねえ」と思わせてやるのだ…… そんな幻想も今日の低調な内容を見せられると虚しく冷めて、余計に悔しくなってくる。
今季はあと180分しかなくなってしまった。清水に残されているのは、残留確定&天皇杯制覇か、その逆のWの悲劇か、二つに一つのストーリーなのかもしれない。ここまで苦しめられてきたのだから、最後は倍返しで終わらせるつもりでいたのだ。もう天皇杯決勝のチケットは買ってあるのだが。