ジェイムズ.P.ホーガン/星を継ぐもの

前からタイトルが気になっていたSFをやっと読みました。SF読むのなんて、かなり久しぶりだぞ…筒井康隆『虚構船団』以来か?
本屋でハヤカワ・創元文庫のコーナーを見ると、こんなにSF作品て出てるんだ、と驚き。本書を見つけたときから何故か頭の中で「ツゥアラトゥストラはかく語りき」がリピートされてた♪

【ジェイムズ.P.ホーガン/星を継ぐもの(299P)/創元SF文庫(071228-1230)】

月面で宇宙服を着た人間の死体が発見される。分析の結果、死後五万年を経過していることが判明するが、彼はどこから来たのか?人間なのか、異星人なのか?次々と生まれる新たな謎に科学者が挑み、驚愕の事実が明らかになる…

直前に読んだのが時代物小説だったので、読み始めてまずカタカナ表記の多い文面と科学技術用語が多用される文章になじむのに時間がかかってしまった。頭が切り替わらず、すんなり物語に入っていけないのは年齢のせいなんだろうかとうっすらとした悲しみを覚えつつ、我慢して文字を追う。
中盤、「ルナリアン」「ガメニアン」「ミネルヴァ」がごっちゃになっていまい、科学者の論理的な対立が細かく書かれた部分では、正直キツイ‥と思ったが、木星の衛星ガニメデで宇宙船が発見される辺りからようやく話についていけて、最後の謎解きはすっきり納得して読了。
話は人類の起源にまで及ぶので詳しくは書けないが、「そういうことがあったのかもしれない」と遠い宇宙と人類の進化に思いを馳せられる結末でした。

要再読。続編『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』は保留。
日本人がノーベル賞受賞の記事に触れても、その功績内容はちんぷんかんぷん(ニュートリノ?自発的対称性の破れ??)な文系人間としては、せめて科学用語の基礎知識くらいはおさえておかないと、と反省。無意識のうちにそういう単語をスルーしてるもんなぁ。苦手ジャンルを避けて生きていくことだってできるけど、それじゃ面白くないしもったいないよな。
それと、頭が硬い。翻訳ものの小説はご無沙汰だったのだが、始めの違和感がなかなか抜けなかった。昔は山田詠美の次に平気でカポーティ読んだりできたのだが、、、。
と、なんだか自分の読書態度を反省することしきりの読書体験になってしまった。