映画

アルゲリッチ 私こそ、音楽

【 アルゲリッチ 私こそ、音楽 / 12月14日 浜松シネマイーラ 】 マルタ・アルゲリッチは不思議なピアニストである。演奏家が身に纏う求道者的な風情を少しも感じさせず、どの曲を弾いてもその奔放な剛腕の前には解釈の余地が介在しない。再現芸術というクラ…

情熱のピアニズム

【 情熱のピアニズム 】 公式HP→映画『情熱のピアニズム』 フランス人ジャズ・ピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニ(1962-1999)のドキュメンタリー。 「ペトルチアーニは凄い!」というのはこの映画の感想ではない。生前のインタビュー、ライブ映像に関係…

ピアノマニア

【 ピアノマニア 】PIANOMANIA 2009年 ドイツ・オーストリア合作 ・内容 現代音楽の旗手であるピエール=ロラン・エマールがバッハの傑作「フーガの技法」を録音することになり、演奏するピアノにスタインウェイ社の「245番」が選ばれた。同社の技術主任であ…

ゲット・ラウド

有休を取って午後から静岡へ。15時からロック映画『ゲット・ラウド』を観て、それから天皇杯エスパルスの応援に行くというめちゃくちゃな一日。 静岡シネギャラリーでは以前『わたしを離さないで』のときにもカズオ・イシグロの本を持っていくと料金割引とい…

ランナウェイズ

シャネルズではない。デル・シャノン‘悲しき街角’でもない。映画『ランナウェイズ』を観てきた。東宝シネマで夜一回のみの上映。観客は自分も入れて、たった四人だった。 http://www.runaways.jp/ 70年代に彗星のごとく登場し、泡の如く消えた元祖ティーン・…

ジェーン・オースティン / 高慢と偏見

上下巻600ページ。一日100ページを目標に読み始める。幸せな結婚を夢見る淑女のお話なので、自分には関係なさそうな内容。一週間では無理かもしれないと思っていたのに、いざ読みだすと、これがなかなかどうして面白い。A型読書エンジンにばっちり火が点い…

イアン・マキューアン / 贖罪

小説と映画DVDを「読んでから見る」企画。英国女優キーラ・ナイトレイがヒロインを演じる文芸作品を二本。 あくまでも小説メインがオオカミ族の流儀。べつにキーラ・ナイトレイを見たいからついでに原作を読む、というわけではない。 【 イアン・マキューアン…

ノーマン・メイラー / ザ・ファイト

今月始め、たまたまテレビでボクシングの番組をやっていたのを見た。1980年、四たび王座復帰を目指す、しかし明らかに衰えの目立つモハメド・アリと、当時絶頂期にあったチャンピオン、ラリー・ホームズの一戦を追ったドキュメンタリーだった。 タイトルマッチ…

もうひとつのワールドカップ

サッカーマガジン今週号(8/10号)。大好きなライター・藤島大さんが連載コラム「無限大のボール」で紹介している映画『アイ・コンタクト』が気になって、ネットで情報を拾った。‘もうひとつのなでしこジャパン’ デフ(ろう者)サッカーの女子・日本代表のド…

サガン -悲しみよこんにちは-

サガンといえば、新潮文庫。青春時代の夏休み、書店でヘミングウェイの青い背表紙とサガンのピンクの前に立ち止まる時間は他のコーナーより断然長かったように思う。 高校時代、図書室の「世界文学全集」のサガン集に彼女のモノクロのポートレート写真があっ…

マン・オン・ワイヤー

本当は昨日観る予定だったのだが、未明の地震で東名は通行止め、JRも復旧作業をしながら徐行運転ということであきらめて今日にした。 ※現在この地震での死者は一名。静岡市の43才の女性会社員が自宅マンションの部屋に積み上げてあった数千冊の本の下敷きに…

ミーシャ/ホロコーストと白い狼

6月、7月と土曜出勤が続くので、今日は代休を取った。名古屋まで行って映画を観てきた。地元にはショッピング・モールに併設されたシネコンが3つもあるのに、ハリウッドものとテレビドラマの映画化作品しかやってないお粗末な状況。マーチン・スコセッシ…