2010-01-01から1年間の記事一覧

エスパルス天皇杯2回戦 / 静岡県代表として…

【9月05日 / 天皇杯2回戦:清水 2−0 Honda FC /‘静岡県代表として’】 残暑厳しい中、今年の天皇杯が始まった。今日の二回戦からJクラブが登場。エスパルスはアウスタに静岡県代表・Honda FCを迎えた。 今年もJFL上位をキープしているHonda FCは過去の天皇杯…

開高健 / 白いページ 、他エッセイ選集

【開高健 / 白いページ (643P) / 光文社文庫・2009年 (100802-0825)】 ・内容紹介 「純潔無比の倨傲な大岩壁をしぼって液化したかのようである」新潟・銀山平の水を「飲む」。200人の部隊のうち17人しか生き残らなかったヴェトナム戦争最前線を回想し「弔む」。…

開高健 / 夏の闇 直筆原稿縮刷版

角田光代さんの作品を読んだことがない。ロック母とか何とかのジミー・ペイジとか、そそられるタイトルの作品があるし、酒井駒子さんの表紙カバーが目について文庫本を手に取ったこともある。読書系ブログの方たちにも人気があるようなので気にはなっているの…

昭和二十年の「文藝春秋」

昭和二十年モノをもう一冊。 終戦の年の「文藝春秋」から当時の情勢が色濃い記事をピックアップして再録したこの本。新書ながら手に取るとけっこう厚くてずっしり重みがある。適当に斜め読みするつもりだったんだけど、……… 意外な読み応えがあって、先入観と…

梯久美子 / 昭和二十年夏、僕は兵士だった

振り返ると今年は『ヒトラーの秘密図書館』『第三帝国のオーケストラ』に始まり、特に意識したわけでもないのに1945年(昭和20年)がらみの本をけっこう読んでいる。あれもこれもと手を出して広く浅かった読書が変わってきたのは年齢とともに邪念が減ってき…

クレア・キーガン / 青い野を歩く

これはマズイな… 一話目を読み終えて困ってしまった。白水社の本だし、期待して満を持して読み出したというのに、まったく感想がない。短いセンテンスの羅列。淡々と、というか起伏のない平板な文章。良いも悪いもない。娘が家を出て行く朝、ただそれだけの…

伊東潤 / 戦国鬼譚 惨

【伊東潤 / 戦国鬼譚 惨 (266P) / 講談社・2010年 (100804-0808)】 ・内容紹介 だまし合いには勝たねばならぬ!生き抜くため、守るため、心に巣くう鬼は殺し、裏の顔は見せるまい。衝撃作『戦国奇譚 首』の作者が、信玄以後の甲信の武将たちの進退を描く。 …

エスパルス17節/孝行息子と宣戦布告

【8月07日 / Jリーグ第17節:清水 2−1 鹿島 /‘孝行息子と宣戦布告’】 試合前、桜エビのかき揚げをかじりつつ晴れ渡った青空と富士山を眺めていると、仕事のことも、今夜これから始まる首位決戦―‘日本平の合戦’―のことも忘れて和んでしまう。ここにずーっと…

伊東潤 / 戦国奇譚 首

【伊東潤 / 戦国奇譚 首 (186P) / 講談社・2009年 (100731-0803)】 ・内容紹介 獲れ!出世も褒賞も「それ」次第。少しでも高い身分の敵の首を、1つでも多く― 己の出世と一族のため、戦場を駆け回る武士たちの首獲り物語。首が明暗を分けた時代の悲喜劇を綿密…

もうひとつのワールドカップ

サッカーマガジン今週号(8/10号)。大好きなライター・藤島大さんが連載コラム「無限大のボール」で紹介している映画『アイ・コンタクト』が気になって、ネットで情報を拾った。‘もうひとつのなでしこジャパン’ デフ(ろう者)サッカーの女子・日本代表のド…

熊谷達也 / 銀狼王

澤見彰『月香の森』を買いに行って、この表紙を見てしまった。それから半時間、文芸書の棚を離れて文庫や雑誌コーナーをぐるぐる歩きつつ迷う。あーどうしようか。買うのは一冊。どっちにしよう… 『月香』は読みやすそうなファンタジーみたいだった。『銀狼…

星野智幸 / 俺俺

『俺俺』といえば… 【星野智幸 / 俺俺 (252P) / 新潮社・2010年(100723-0726)】 ・内容紹介 実家のドアを開けると、現れたのは俺だった。「誰だおまえ」「おまえこそ誰だ?」 なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった俺は、気付いたら別の俺になっていた。上司…

中村文則 / 悪と仮面のルール

昨年の『何もかも憂鬱な夜に』も『掏摸』のときもそうだったが、とくに刊行日をチェックしているわけでもないのに書店に行くと出たばかりの新作が目に留まるという、個人的にちょっと縁がある感じがする中村文則さん。六月末刊行の今作も、その週末に手に入…

皆川博子 / 少女外道

ワールドカップに合わせてサッカー本を続けて読んでいたので、小説に戻るのに苦労するかもと思ったけど、がしっと首根っこを押さえて沈められた。皆川ワールドにやられました。読みたい本がたくさん貯まっている。これからガンガン読むぞー!(『天地明察』…

川端康雄 / ジョージ・ベストがいた

ワールドカップは終わってしまったが、サッカー本をもう一冊。 たまたま書店で見つけたこの新書版の本。サッカー評論家が書いたのだったら買わなかった。 カバー裏を見ると、著者は英文学専攻の文学部教授。これまでにもオーウェル関連の著作・編訳がある(…

A.リベイロ他 / 背番号10 サッカーに「魔法」をかけた男たち

白水社のサッカー本をもう一冊!『サッカーが勝ち取った自由』は店頭では買えないだろうと思っていて、アマゾンで買うつもりだった。それがこの6月は書店も「にわか」サッカー本ブームだったようで、特設の「ガンバレ侍JAPAN!W杯コーナー」に置かれていた…

C.コール他 / サッカーが勝ち取った自由

ワールドカップ南アフリカ大会開催に合わせて放送されたNHK-BS「世界のドキュメンタリー/シリーズ・南アフリカ」。中でも印象的だったのが、アパルトヘイトに抗議して南アフリカの各競技代表を国際舞台から締め出した『スポーツボイコット』だった。 白人国…

ドメスティックに小野伸二化

ワールドカップはいよいよ佳境に。明日から準々決勝に突入。 好ゲームの多い今大会を満喫しながらも、エスパルスサポーターたる者、ただ漫然とリーグ再開を待っているわけではない。 こんなものを買ったり… 「オーノシンジ、オーノシンジ、オーノシンジ!」 …

斉藤健仁 / 世界のサッカー 愛称のひみつ

【斉藤健仁 / 図解 世界のサッカー 愛称のひみつ (290P) / 光文社新書・2010年(100612-0628)】 ・内容紹介 日本代表のユニフォームは、なぜ日の丸の赤でなくブルーなのか? なぜエンブレムに八咫烏(やたがらす)がついているのか? フランスのエンブレムがニ…

坂東眞砂子 / ブギウギ

こちらも『ナニカアル』同様にこれまでの作風とはちょっと違う坂東眞砂子さんの新刊。やはり敗戦直前の日本が舞台。 【坂東眞砂子 / ブギウギ (468P) / 角川書店・2010年(100622-0626)】 ・内容紹介 敗戦間近の箱根で、疎開中のドイツ軍潜水艦長が変死した。…

桐野夏生 / ナニカアル

桐野夏生さんの作品は数年前に女探偵ミロのシリーズをいくつか読んだだけ。最近も次々と話題作を出されているけれど、ちょっとエログロ描写が生理的に自分に合わないイメージを持っているのでここ数年はパスしていた。 それが最新刊は、戦中の女流作家・林芙…

ダニエル・ペナック / 片目のオオカミ

オオカミ本三連発のラストは、これまた白水社の本(現在この作品は白水Uブックス―ライ麦畑の―にラインアップ)。オオカミ本と硬派なサッカー本を出す「おまえはオレか?」的な出版社である。 白水社さま、生まれ変わったら就職希望です。その節はよろしく!…

丸山直樹、他 / オオカミを放つ

6/5の二つのニュース。イノシシやシカを狩っていた猟友会メンバーの男性が仲間を誤射したあと自殺(京都・福知山)。山菜採りをしていた女性がクマに襲われて死亡(帯広)。 こういう事件を耳にするたび、山にオオカミがいないからこういうことになるんだよ…

マーク・ローランズ / 哲学者とオオカミ

『越境』でひさびさにオオカミ魂に火がついた。他にも読みたい本はたくさんあるけど(『天地明察』も早く読みたい)、ここから一気怒濤の(…でもないが)オオカミ本三連発に行く。 まずは四月の刊行と同時に早くも“本年度オオカミ本屋さん大賞最有力”の呼び…

エスパルス ナビスコ6節/初のダービー

日曜日に予定していた仕事を急に来週にしてくれとの電話があって「そうですねェ…ちょっと調整してみますが」とかなんとか、渋い返事をしながら〈しめしめ、これでダービーに行けるわい!〉頭の中ではチケットの算段を始めていて顔はニタニタしていた。 【6月…

イーユン・リー / 千年の祈り

『さすらう者たち』と同じ篠森ゆりこ氏の翻訳。この方の訳文なら他の作家の作品も安心して読めそう。 【イーユン・リー / 千年の祈り (253P) / 新潮クレスト・ブックス・2007年(100530-0602)】 A Thousand Years of Good Prayers: Stories by Yiyun Li 2005 訳…

イーユン・リー / さすらう者たち

【イーユン・リー / さすらう者たち (381P) / 河出書房新社・2010年(100523-0528)】 THE VAGRANTS by Yiyun Li 2009 訳:篠森ゆりこ ・内容紹介 文化大革命の終焉を迎えた1979年、中国の地方都市。一人の年若い女性が国家の敵として処刑された。友の無実を知…

コーマック・マッカーシー / 越境

書店でハヤカワ文庫のコーナーをのぞくと、必ず目に留まるこの表紙カバー。なぜか内容とは無関係のイメージ写真なんだろうと勝手に思いこんでいた。これが読んでみたら、、、! 『神なるオオカミ』のメキシコ版!?(書かれたのはこっちの方が早いが) 完全に…

長谷敏司 / あなたのための物語

タイトルが似ていることもあって、どうせなら二冊まとめて読んでしまえと『あなたの人生の物語』とセットで買った。Story Of Your LifeとStory For You。『SFが読みたい!2010年版』にて上位(2009ベストSF国内2位)を占めているのもOf Your Life同様。 果…

エスパルス11節/リセット

思いつきで何年ぶりかにヴィジターサイドの席に座っての観戦。アルビレックス・サポもオレンジのジャージを着ているので、その中にまぎれて。 新潟のスタンド前中央には静岡ゆかりの選手の横断幕が並べられていた。 おそらく矢野、永田の知人・後援者たちも…